
簿記の統一試験とネット試験どっちがいい?
統一試験が廃止って本当?
こんな疑問にお答えします。

簡単に結論からお答えすると…
- 東京商工会議所のみ統一試験廃止(2023年4月~)
- 他地域は統一試験(紙の試験)とネット試験の2つ
- 統一試験が良いかネット試験が良いかは一長一短
- 統一試験もネット試験も価値は同じ
- 統一試験・ネット試験両方受験しても良い
この記事では、簿記2級一発合格者が統一試験とネット試験について比較解説していきます。
自分にあった試験方法をセレクトして有利に合格を手にしましょう!

この記事を書いている私は
簿記3級は市販本独学で合格。
その後、簿記2級が気になりながらも8年経過。
合格率14.7%第150回日商簿記2級を受験。
96点(仕訳1問間違い)で一発合格、その後、未経験で経理に転職しています。
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簿記の統一試験とネット試験受けるならどっち?違いは?
簿記の統一試験とは
簿記の統一試験とは従来の紙の試験のこと。
ペーパー試験と呼ぶ方もいますが、全て統一試験のことを指します。
年に3回(2月・6月・11月)の試験日に会場へ行き決まった時間に一斉に受験します。
簿記のネット試験とは
簿記のネット試験とは、2020年12月に導入された受験方法。
ネット試験と言っても自宅のパソコンで遠隔で受験するのではなく、会場へ出向き、指定のパソコンで受験します。
簿記の統一試験とネット試験の違い
簿記検定のネット試験と統一試験の違いはこちら。
統一試験(紙の試験)は2月、6月、11月の年3回。
申し込み方法は各商工会議所ごと異なります。
受験予定の商工会議所を検索し、それぞれに従って申し込みをします。
2023年度の日程は以下の通りです。
- 第164回:2023年6月11日(日)
- 第165回:2023年11月19日(日)
- 第166回:2024年2月25日(日)
➡2023年度試験日程カレンダー
一方、ネット試験はいつでも受験できます。
商工会議所ネット試験施行機関を確認し「インターネット申し込み方式」か「会場問い合わせ方式」で申し込みをします。
ちなみに、簿記1級に関してはネット試験はなく統一試験のみです。
簿記の統一試験とネット試験 合格率の違い
一番気になる簿記の統一試験とネット試験の合格率の違い。
直近の合格率を見てみましょう。
統一試験の合格率
以下、簿記2級、3級統一試験の合格率です。
簿記2級
回 | 受験者数(申込者数) | 実受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|---|
164(2023.6.11) | 10,618名 | 8,454名 | 1,788名 | 21.1% |
163(2023.2.26) | 15,103名 | 12,033名 | 2,983名 | 24.8% |
162(2022.11.20) | 19,141名 | 15,570名 | 3,257名 | 20.9% |
161(2022.6.12) | 16,856名 | 13,118名 | 3,524名 | 26.9% |
簿記3級
回 | 受験者数(申込者数) | 実受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|---|
164(2023.6.11) | 31,818名 | 26,757名 | 9,107名 | 34.0% |
163(2023.2.26) | 37,493名 | 31,556名 | 11,516名 | 36.5% |
162(2022.11.20) | 39,055名 | 32,422名 | 9,786名 | 30.2% |
161(2022.6.12) | 43,723名 | 36,654名 | 16,770名 | 45.8% |
ネット試験の合格率
以下、簿記2級、3級ネット試験の合格率です。
簿記2級
期間 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 | |
---|---|---|---|---|
2023年4月~2023年6月 | 22,438名 | 8,861名 | 39.5% | |
2022年4月~2023年3月 | 105,289名 | 39,076名 | 37.1% | |
2021年4月~2022年3月 | 106,833名 | 40,713名 | 38.1% | |
2020年12月~2021年3月 | 29,043名 | 13,525名 | 46.6% |
簿記3級
期間 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 | |
---|---|---|---|---|
2023年4月~2023年6月 | 47,903名 | 20,275名 | 42.3% | |
2022年4月~2023年3月 | 207,423名 | 85,378名 | 41.2% | |
2021年4月~2022年3月 | 206,149名 | 84,504名 | 41.0% | |
2020年12月~2021年3月 | 58,700名 | 24,043名 | 41.0% |

気が付きましたか?
簿記2級、3級ともに統一試験の方が合格率が低いです(受かっている人が少ないです)。
特に2級は合格率にかなりの違いがありますね。
ネット試験が始まった当時からSNS上で懸念の声が上がってしましたが…
合格率から見る限り、統一試験とネット試験の難易度が違っています。
パソコン作業が加わる点も含めても、差があります。
ネット試験と紙試験、試験時間が同じになってもなお難易度に差があるのか、、
— 公認会計士たぬ吉🌏『たぬ吉資格塾』塾長✨簿記担当♪ (@boki_accounting) June 13, 2021
そういえば、簿記2級受かりました!
ネット試験だったんですけど、筆記より簡単でした試験結果もすぐわかるし、筆記で受けるメリットが一つも浮かばない。。
— しがない税理士受験生 (@TcTS9Hh3F2YumSO) February 7, 2022
一概には言えませんが、簿記2級の統一試験の方が難易度が高い傾向があります。
気になったので試しにネット試験の過去問を数回分解いてみましたが、やはり全体的に難易度が低いような気がしました。
とはいえ、統一試験の価値もネット試験の価値も同じ。
統一試験、ネット試験両方受験することも可能です。
簿記の統一試験とネット試験 メリット・デメリット
統一試験とネット試験のメリット・デメリットです。
統一試験のメリット・デメリット
統一試験のメリットは
- 問題用紙に印や書き込みができる
- 過去と同じように受験対策ができる
- 年3回の受験チャンスなので気合が入る
- 次の試験まで空くため追い込みが効く
- 一緒に受験する仲間と盛り上がれる
デメリットとしては
- 合格率から見て若干難しい可能性がある
- 年3回なのでプレッシャーがかかる
- このご時世、中止になる可能性がある
統一試験は、家で勉強しているのと同じ形で受験できるので、当日も自分のペースがつかみやすいです。
また何年も実施されてきている試験形態なので、簿記スクールなどの対策、体制も整っています。
ネット試験のメリット・デメリット
ネット試験のメリットは
- 自分の都合に合わせて受けられる
- 年に何回も受験チャンスがある
- 自分のペースで勉強が進められる
- 簡単な問題の可能性がある
- すぐに合否がわかる
デメリットとしては
- いつでも受験できるので気が緩む
- いつでも受けられると焦りがない
- パソコンに不慣れだと時間がかかる
- 統一試験後受験仲間と盛り上がれない
いつでも自分の都合に合わせて受験できる点が、メリットになる人とデメリットになる人がいます。
今回落ちたら、数か月後だ!!という危機感がないので、勉強にエンジンがかかりにくい場合も…。
また、統一試験後、毎回SNSや各スクール講師の論評で盛り上がるのですが、それを楽しめないというデメリットがあります。

統一試験後は、簿記2級がSNSのトレンドになることも!
簿記のネット試験受験者のリアルな声
私が簿記2級を受験した時にはネット試験がなかったので、職場のネット試験受験者にリアルな声をきいてみました。

簿記2級のネット試験どうだった?
- パソコン上の問題を見ながら解くので首が大変
- パソコンで細かい数字を見るので目がチカチカした
- パソコン上で残り時間が表示されていたので焦る
- パソコン操作が地味に面倒だった
- とはいえ、難易度的には簡単だった
ネット試験と紙の試験については、さまざまな意見があります。
おっしゃる通りだと思います。
ただ、過去問見てもネット試験の方が問題の難易度が低いようにも感じます。
— コトサラ@今年中に月5万円の副業チャレンジ (@kotosara73) August 15, 2023
模擬試験ですが!!!!
ネット試験どんなもんよ😎と思い挑戦してみたら、ギリギリですが合格点いただくことが出来ました(๑•̀ㅁ•́ฅ✨
個人的には統一試験よりネット試験の方がやりやすかったです🙋あと、見直しの大事さを身に染みて感じました笑笑 これからももっと高得点狙って頑張ります🫡 pic.twitter.com/iiguClXIeq— 角さん/日商簿記2級再開 (@kakusukemito) January 15, 2023
日商簿記検定2級の合格率。ネット試験は40%、統一試験は20%。あまりにも難易度に差があるな。統一試験で63点不合格。ネット試験75点で合格。俺は合格したとは言えないと思うのよね。寧ろ、統一でなかなか健闘したなというイメージ。
— Timo@ (@12_timom) January 4, 2023
生配信中、統一試験とネット試験では合格の価値が異なる故、ネットで受かった後に統一試験で受験し直し再度合格した方がよい旨、発言がありましたが、これは大手受験学校の意見として問題ないでしょうか。
日商サイト上「ネット試験の合格と統一試験であるペーパー試験の合格は同じ扱い」とあります。 https://t.co/TVVishsvJu— Summa (@s660pbh) June 15, 2023
最初はネット試験の方がやり辛いって思ったけど慣れたら統一模試の
方が難しい。
ネット試験は仕損も出て来なかったし、連結会計も統一試験の問題に比べたら遥かに簡単😃
念の為、ネット試験で仕損が出ても解ける様にしておかないと。— piano (@IYAcqVkAgwA5pam) June 19, 2023
ネット試験の方が簡単なのわかってるけど、簿記好きとしては統一試験で受かりたいんや…どうしても…
でも今回は体感60点取れてれば良い方だから受からんだろうな
また11月に向けて勉強せねば( ; ; )— Mii (@ktny14) June 11, 2023
簿記2級が簡単なのは確かにそうだけど、
ネット試験と統一試験とじゃ合格率が全然違うから、それを言って良いのは統一試験で95点以上取ったやつだけなんだよな🥴🥴— 馬鹿が釣れて草😂🎣無個性複製体底辺さん効いてるねぇ😂🫵🏽 (@teitinousanw) January 9, 2023
がんばってください!
ちなみに、ネット試験のほうが簡単という認識のある方もいるようなので、就職に使うなら統一試験も受けられると良いかもです!— ゆーるる (@6u_rr6) November 25, 2022
「東京商工会議所」のみ簿記統一試験廃止
2023年4月から東京商工会議所のみ2・3級統一試験(紙試験)が廃止されました。
東京商工会議所では、2023年4月より「日商簿記検定試験」の2・3級について、統一試験(紙試験)での実施を行わないことから、
ネット試験、近隣商工会議所へのお申込みをお願いいたします。【出典:東京商工会議所ホームページ】
→[東京商工会議所]2023年度からの日商簿記検定試験について
勘違いしている方もいますが、簿記の統一試験が廃止になったのは東京商工会議所だけ(2023.9現在)。

他の地域は「ネット試験」「統一試験」両方実施しています。
しかし、今後ネット試験に移行していくと思われるので、紙の試験を受けたい方は早めに受験しておきましょう。
簿記の統一試験とネット試験受けるならどっち?価値の違い:まとめ

結局、ネット試験と統一試験どっちがいいの?
簿記の統一試験とネット試験、どちらも一長一短ですが時間に余裕があるなら「統一試験」をおすすめします。
統一試験、ネット試験どちらも同じ価値ですが、自分がどちらの試験に合格することで満足できるのかも大事かなと。
(合格率の差もあり、細かい職場によっては、統一試験を受けるようにという指示もあるようです…)
また、今後簿記1級にチャレンジする場合、紙の統一試験しかないため、慣れておくことも有意義です。
万が一、統一試験がダメだった場合は、すぐにネット試験を受験するのが一番効率がいい方法です。
ネット試験を受けたいけどパソコンが不安という方は、各講座でネット試験対策が登場しているので利用してみてくださいね。